ハクは『千と千尋の神隠し』に登場するキャラクターです。主人公・千尋を助け、元の世界に帰れるよう導いてくれる存在ですが…
実はハクに関する怖い噂が存在します。
ハクは千尋が帰った後、湯婆婆によって”八つ裂き”にされるという都市伝説が流れているのです。
これって本当なのでしょうか?そもそも、なぜこのような噂が流れたのでしょうか?
今回は、ハクの本当の結末について考察してみました。
千と千尋の神隠しの「ハク」の正体は?
ハクの正体
引用元: www.amazon.co.jp
普段は美少年のハクですが、正体は白い龍です。
元々は琥珀川(こはくがわ)に住んでいた龍の神様なのですが、都市開発のせいで川が無くなり住む場所を失ったのです。
そのため、湯婆婆の元に弟子入りしました。
「ハクはな、千と同じように突然ここにやってきてな。魔法使いになりたいと言いおった。ワシは反対したんだ、魔女の弟子なんぞろくな事がないってな。聞かないんだよ。もう帰るところはないと、とうとう湯婆婆の弟子になっちまった。そのうちどんどん顔色が悪くなるし、目つきばかりきつくなってな」
引用元:映画『千と千尋の神隠し』より
帰る場所をなくした龍の神様。
それがハクの正体です。
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千尋と出会った時期
ハクが初めて千尋に出会ったのは、琥珀川に住んでいた時期です。まだ幼かった千尋が、琥珀川に落っこちたのが2人の出会いです(笑
つまり湯屋で出会ったときは、初対面でなく再開だったワケですね。
その後、八つ裂きにされたって本当?
ハクにまつわる怪しげな噂
『千と千尋の神隠し』に関する謎はいろいろありますが、中でも気になるのがハクの最後についてでしょう。
一部では、ハクは湯婆婆によって八つ裂きにされたという噂が流れているのですが・・・
これは公式の設定なのか。それとも都市伝説か。
真偽が気になりますよね?
次は、ハクの「その後」と「八つ裂き説」について調べてみました。
公式の設定は?
結論から言うと、ハクが八つ裂きにされるというのはただの都市伝説です。
公式では、そんなことは一言も語られていません。
では、なぜこのような噂が出たのでしょうか?
原因を調べたところ、どうやら映画内での湯婆婆のセリフが原因のようです。
湯婆婆は坊がいなくなった時、ハクに対して「お前は八つ裂きになってもいいのか!?」という問いかけをしています。
このセリフを聞いた視聴者が
と思ったようですね。
「それでおまえはどうなるんだい? その後あたしに八つ裂きにされてもいいんかい?」
引用元:映画『千と千尋の神隠し』より
ハクは湯婆婆に銭婆の元から坊を取り戻すための交換条件として、千尋と千尋の両親を元の世界に戻すことを申し出ています。その際に湯婆婆から八つ裂きにされてもよいのかと問われ、それでもかまわないと即答しています。
引用元:https://ciatr.jp/topics/266703
このシーンだけ見れば、八つ裂き説が流れた理由もわかります。そしこの時、ハクは「殺されてもいい」と思っていたのでしょう。
でも、映画をラストまで見ると・・・
「八つ裂き説」は違うとわかります。
ハク・湯婆婆・銭婆のセリフを考察すると、ハクの結末は生存エンド一択です。
バッドエンドにはなりません。
次の章ではハクの結末について、私の考察をまとめてみました。
本当の最後と結末は?ハクどうなった?
湯婆婆に逆らえない理由
それでは、ハクの結末について考察しましょう!
・・・と、その前に。
『千と千尋の神隠し』における名前の価値について知っておきましょう。
『千と千尋の神隠し』の世界では、名前はとても大切なものです。名前は自分自身であり、絶対に忘れちゃダメなもの。
でも、ハクは湯婆婆に弟子入りする時に名前を奪われています。
そのせいで自分の名前を忘れ、湯婆婆に逆らえなくなってしまいました。
ハクが名前を奪われたのは湯婆婆との契約時。契約する時に本名を言ってしまったそうです。
ちなみに、他の従業員(リンとか)は契約の時に偽名を名乗っていたので大丈夫だったらしいです。
でも、ハクは優しくて素直だから本名を名乗っちゃったんですよ。
銭婆によると、ハクに限らず龍はみんな優しくて素直なようです。
「龍はみんな優しいよ。優しくて愚かだ。魔法の力を手に入れようとして妹の弟子になるなんてね」
引用元:映画『千と千尋の神隠し』より
結局、結末はどうなったのか?
ハクは名前を奪われたから、湯婆婆の命令に逆らえませんでした。でも、エンディングでは千尋がハクの名前を思い出してくれます。
「あなたの本当の名は、コハク川」
千尋のこの一言で、ハクは自分の本当の名前を思い出し、湯婆婆との契約から解放されます。
名前を取り戻したおかげで、魔女の契約は効力を失いました。
つまり、もう湯婆婆の命令に従わなくても大丈夫!
「私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる。平気さ、本当の名を取り戻したから。元の世界に私も戻るよ」
引用元:映画『千と千尋の神隠し』より
最後のシーンでは、ハクも「本当の名前を取り戻したから大丈夫」と言っています。
この流れから考えると、少なくとも結末はバッドエンドにはならないはずです。
補足:宮崎監督のインタビューも理由
インタビューの内容
また、ハクの八つ裂き説が噂された理由として、宮崎監督のインタビューも関係しているようです。
宮崎監督はインタビューされた時に「千と千尋の神隠しは悲しいお話なんですよ」と言っていて、この一言から「千と千尋の神隠し=悲しいお話=ハクの最後が悲惨」という連想ゲームになったらしいです。
でも、宮崎監督のインタビューをよく聞くと、この説は違うとわかります。
2019年8月16日に放送された「金曜ロードショー」によると、「悲しいお話」とはハクではなく千尋のことを指しているそうです。
▽インタビュー文章
せっかく自分を認めてくれそうな人たちと出会えたのに、千尋はその場所から離れなくてはならなかった。
もう少しいたら、カエル男たちや湯女たちともさらに知り合えただろうし、良い人、くだらない人、いろんな人がいることにもっと気づくことができたはずなのに、
それを全部捨てなきゃいけなかった、この映画は、実は切ない話なんです。
出典:金曜ロードショー「宮崎監督の想い」より(2019年8月16日放送分)
そもそも設定が悲しい
『千と千尋の神隠し』に出てくる神様や妖怪は、人間のせいで被害にあったキャラクターが多いです。
ストーリー自体は優しい内容ですが、よく考えると悲しい設定なんです。
- ハク:都市開発のせいで住み家を無くす
- オクサレ様:ゴミのせいで泥のオバケみたいな姿になる
人間のせいで住む場所を奪われたり、本来の姿を失ったり・・・
この辺の設定も、ちょっと悲しいですね。
まとめ
『千と千尋の神隠し』のその後については、いろいろな噂が流れています。八つ裂き説など怖い噂もありますが、これらはあくまで都市伝説。
”ハクの本当の最後”は生存エンドでしょう。これは本編のセリフから推測できます。
ハクは自分の名前を取り戻して魔女の契約から解放されました。そのため、生きているはずです。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。