ノートルダムの鐘・フロロー判事の考察|美女エスメラルダに許されぬ恋をした男

裁判

クロード・フロローは映画『ノートルダムの鐘』に登場する悪役です。

彼は美しいエスメラルダに狂気的なまでの恋をし、最終的には彼女を手に入れるため街を燃やすという凶行に走ります。

説明だけ聞くととんでもないキャラですが、フロロー判事はディズニー作品きっての激情家でもあり他のヴィランとは違った魅力の持ち主です。

そこで本記事ではフロロー判事にまつわる考察をまとめました。彼の魅力について、独自の視点で余すことなく解説していきます。

映画『ノートルダムの鐘』におけるクロード・フロローの設定

クロード・フロローの設定と年齢

クロード・フロローは『ノートルダムの鐘』におけるヴィランズ。

最高裁判事であり、残酷なまでのジプシー狩りを行う差別主義者。なおディズニー作品の中では珍しく、自分を正義だと思っている悪役です。

なお原作の年齢は16~36歳ですが、ディズニー映画のフロロー判事はもっと年上だと推測されます。恐らく50代くらいでしょう。

カジモドを拾った時点でかなり老けていたので、当時の年齢は若くとも30代。そこからカジモドを育てたとなると、本編では50代くらいと考えるのが妥当です。

関連:『ノートルダムの鐘』の制作陣が視聴者に伝えたいこととは?

性格はまじめだが、偏った正義感に支配されている

偏った正義感

フロローは世の中に存在する全ての悪と罪を消し去りたいと思っていましたが、その一方で自分の心の醜さには気づきません。

判事という公平さが求められる職に就きながらも、偏った正義感に支配されています。

『フロロー判事は世の悪徳を追放したがっていた。しかし彼は自らの心の中の悪に気付いていなかった』
引用元:ノートルダムの鐘|クロパンの台詞

『自らを欺くつもりか。良心の呵責もないのか。だが逃れられぬ、あの石造の目からは。ノートルダムは全てを見ている』
引用元:ノートルダムの鐘|司祭の台詞

白うさぎ
カジモド曰く、フロローは『暗くて冷たい性格』とのこと。
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自己顕示欲の塊

フロローの性格ですが、見栄とプライドと自己顕示欲の塊であることは間違いありません。

まず彼が手にはめている高価そうな指輪の数々。これは財力を誇示したいという気持ちの現われでしょう。

次に彼が乗っている黒い馬ですが、あれは恐らく軍馬です。軍馬は中世ヨーロッパにおいて人々から高く評価され、また育てるには手間も金もかかるため貴重品でした。

そんな軍馬の中でもあれほど立派なものを所有しているのだから、彼がどれほどの権力と財力を持っていたのか一目で分かりますね。

関連:【ノートルダムの鐘】エスメラルダの年齢・性格・人種について

なぜジプシーを忌み嫌ったのか?

『ノートルダムの鐘』の舞台は15世紀のパリ。魔女狩りが生まれた時代で、人々は病気や戦争などを恐れるあまりその不満を”誰か”にぶつけたいと考えていました。

その結果、不満をぶつける矛先となったのが魔女。つまりジプシーだったのです。

だからこそフロローは判事として、ジプシーを忌み嫌いこの世から徹底的に消し去ろうとしました。

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フランス一の美女・エスメラルダに許されぬ恋をする

許されぬ恋をした結果、相手の破滅を願う

ハート

フロロー判事はエスメラルダに恋をしましたが、それは彼にとって許されざる恋でした。

彼女はジプシーなので、フロロー判事にとっては悪であり排除すべきもの。しかし彼はそれでもエスメラルダを欲したのです。

ゆえにフロローは、エスメラルダへの想いを恋とは認めませんでした。身を焦がすほど恋い焦がれながらも、同時に彼女を滅ぼしたいと願いました。

ウサギ
相反する気持ちが、ぐちゃぐちゃに混ざって歪んでいるね。

その結果フロローは迷います。

エスメラルダを『高潔な自分を誘惑した魔女』として火刑にするか、それともいっそ自分一人のものにしてしまおうか。

その2択に悩まされた結果、彼女のスカーフに頬ずりした後それを暖炉で燃やすという矛盾した行動を取っています。

そして最終的には狂気に取りつかれてパリの街に火を放ち、エスメラルダを追い詰めて「選べ!私か死か!」と迫る始末。

この台詞から、彼がとんでもない激情家であり恋に狂っていることが伺えますね。中年男性が美女に恋をした…という単純な話ではなく、彼の感情はもっと複雑でドロドロしているのです。

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我が身かわいさに、自分の恋心すら否定した

彼はエスメラルダに恋をするも、その想いを認めず「あの女が私に妖術をかけた!」と言い訳をしています。他人のせいにすることで自分を保つタイプなのでしょう。

我が身かわいさに責任転嫁をする性格だからこそ、彼はずっと偏った正義に囚われ続けたのでしょう。本当に業が深い。

なお映画『ノートルダムの鐘』の序盤でカジモドの実母を殺めた時も「このジプシーが逃げるから悪いのだ」と責任転嫁をしていました。

管理人の感想|フロロー判事のここが好き!

他のヴィランズと圧倒的に違うところ

個人的に、フロロー判事はディズニー作品きっての激情化だと思っています。感情が0か100のどちらかに振り切っているイメージです。

というのも彼がエスメラルダに抱いたのは、ただの恋心ではなく身を焦がすほどの激情だったから。今風に言うなら『ガチ恋』ですね。

50代(推定)のオッサンが年若き美女に恋をするという異質な状況。

おまけに彼はエスメラルダの髪の匂いを嗅いだり彼女のスカーフに頬ずりしたりするものだから、一部の視聴者は悲鳴をあげたようですがーーー

それでも管理人は、フロロー判事のことが大好きです。

というのもフロローの執着の仕方は、他のディズニー・ヴィランズとはタイプが全く違うから。

例えばガストンやジャファーは、美しいプリンセスを自分の物にすることで権力と有能さを誇示しようとしていました。早い話が、女性をトロフィー扱いしているのです。

けれどフロロー判事がエスメラルダを手に入れたところで、名誉も権力も得られません。むしろ彼の立場的に、彼女を諦める方がメリットがあるのです。

それでも身を焦がすような思いに耐えられず、神への恐怖すら忘れてひたすら彼女を求めた…

歪んでいるし重たいけど、エスメラルダへの恋は一途です。『ヒロインに狂おしいほどの恋心を抱いたヴィラン』と考えると、管理人は彼を憎めません。

そもそもの話、彼がまじめな性格であることは明らか。そのこともあり、他のディズニー作品には見られない情熱的なヴィランという印象です。

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小話:ツイステに派生キャラが登場する

余談ですが、アプリゲームの『ツイステッドワンダーランド』にフロロー判事をモチーフにしたキャラが登場しました。

ロロ・フランムという少年で、フロローを善人したイメージの子。まじめで成績優秀だけど、偏った正義感を持った性格です。

白うさぎ
管理人はロロが大好きだよ。ロロいいよ。軽率に推せる。

考察まとめ|ディズニーヴィランズきっての激情家

この記事のおさらい

フロローというキャラについて

フロロー判事は冷酷な性格ですが、自分の正義を信じてまじめに生きてきた男性です。ヴィランズという立場でありながらも、自分を善だと信じていました。

そしてエスメラルダに狂気的なまでの恋をしながらも、自分を高潔だと信じるがゆえにそれを恋だと認めません。

あの魔女が私を誘惑した。これは神が人間よりも悪魔を作ったせいだ。

そのような言い訳をし続け、劇中歌でも『あの女を滅ぼしたまえ』と神に願っていました。

恋と呼ぶには重すぎる感情

エスメラルダに対するフロローの感情はとても複雑です。

本記事のタイトルは『美女エスメラルダに許されぬ恋をした男』ですが、もはやこの激重感情を恋と呼んでいいのか管理人にも分かりません。

劣情ではないけど愛でもない。相手を憎みながら恋するという、他のヴィランとは一味違うキャラクターだと言えます。

関連:『ディズニー映画の考察まとめ』はこちら

参考:ディズニー公式サイト

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